レスラーノート

クリス・ブルックス

CHRIS BROOKES

1991年8月24日
イギリス・ティプトン出身
196cm 87kg
血液型:O型

タイトル歴
DDTユニバーサル
DDT・EXTREME
RPWブリティッシュ・タッグ
FCP王座
KO−Dタッグ
得意技
プレイングマンティスボム
ハウス・ピアノ・デス

07年、デビュー。イギリスのファイトクラブ・プロを中心にイギリスやヨーロッパなどで活躍。

2017

17年3月5日、RPWのロンドン・コクピットシアター大会でトラヴィス・バンクスと組んでジョエル・レッドマン、チャーリー・ギャレット組を破りRPWブリティッシュ・タッグ王座を獲得。6月23日、FCP(ファイトクラブプロ)のウォルヴァーハンプトン大会で6WAYマッチに勝利してFCP王座を獲得。10月23日、RPWのポーツマスギルドホール大会でトレント・セブン、タイラー・ベイト組に敗れて王座転落。12月11日、ディファイアントのイギリス・リーズ大会でデビッド・スターと対戦。スクールボーイでフォール勝ち。

2018

18年3月19日、ディファイアントのPPV「ライツアウト」でアミル・ジョーダンと対戦。プレイングマンティスボムで勝利。3月26日、ディファイアントのイギリス・ニューカッスル・アポン・タイン大会でノー・ファン・ダンと対戦。丸めこまれてフォール負け。3月30日、FCPのウォルヴァーハンプトン大会で里村明衣子を相手に防衛戦。STFに敗れて王座転落。10月14日、RPWのロンドン大会で内藤哲也と対戦。デスティーノに敗れた。11月9日、RPWのイギリス・ロンドン大会でタイチと対戦。ローブローからのタイチ式外道クラッチにフォール負け。12月3日、ディファイアントのイギリス・ニューカッスル・アポン・タイン大会でジョナサン・グレシャムと組んでカイル・フレッチャー、マーク・デイビス組のディファイアントタッグ王座に挑戦。デイビスのパイルドライバーにグレシャムが敗れた。

2019

19年4月27日、ディファイアントのイギリス・ニューカッスル・アポン・タイン大会でロビーXと対戦。丸めこんでフォール勝ち。6月、DDTに初来日。6月15日、京都KBSホール大会で大石真翔と対戦。9分43秒、プレイングマンティスボムで勝利。7月21日、後楽園ホール大会で竹下幸之介のKO−D王座に挑戦。29分30秒、クロスアーム式ジャーマンスープレックスに敗れた。11月29日から始まったD王 GRAND PRIXに参戦。開幕戦の横浜ラジアントホール大会で橋本千紘と対戦。12分28秒、オブライトに敗れた。11月30日、横浜ラジアントホール大会で遠藤哲哉と対戦。30分時間切れ引き分け。12月5日、板橋区立グリーンホール大会で飯野雄貴と対戦。11分32秒、スピアーに敗れた。12月9日、西鉄ホール大会で上野勇希と対戦。10分17秒、伊藤スペシャル(伊藤麻希の得意技)で勝利。12月10日、広島アステールプラザ多目的スタジオ大会で石井慧介と対戦。13分51秒、プレイングマンティスボムで勝利。12月14日、ベルエポック美容専門学校・第2校舎ホール大会で竹下幸之介と対戦。19分25秒、ウォール・オブ・タケシタを変型エビ固めに切り返してフォール勝ち。リーグ戦は3勝2敗1引き分けに終わった。

2020

20年2月23日、後楽園ホール大会で竹下幸之介を相手に初代DDTユニバーサル王座決定戦。19分26秒、デス・バイ・ロールアップでフォール勝ち。DDTユニバーサル王座を獲得した。3月20日、後楽園ホール大会で佐々木大輔を相手に防衛戦。20分35秒、クロスオーバー・フェイスロックに敗れて王座転落。5月9日、TVマッチで勝俣瞬馬と対戦。20分43秒、テーブルへのプレイングマンティスボムで勝利。5月23日、TVマッチで吉村直巳、ユニバーサル王者の佐々木大輔と3WAYでの王座戦。11分47秒、吉村にプレイングマンティスボムを決めたが佐々木に場外に落とされてそのまま佐々木がフォール勝ち。6月14日、板橋区立グリーンホール大会でマッド・ポーリーと対戦。10分28秒、横入り式エビ固めでフォール勝ち。6月27日、新宿FACE大会で佐々木大輔のユニバーサル王座に挑戦。24分4秒、バッカスで勝利。ユニバーサル王座を獲得した。7月3日、新宿FACE大会で魔苦・怒鳴門と対戦。8分17秒、プレイングマンティスボムで勝利。7月12日、板橋区立グリーンホール大会でマッド・ポーリー、彰人と3WAYマッチ。9分6秒、彰人のアンクルホールドをかけられたクリスがポーリーを体固めで固めてフォール勝ち。8月8日、神田明神ホール大会でKING OF DDTに参戦し、1回戦で大石真翔と対戦。8分41秒、フジヤマ・ニーロックに敗れた。8月16日、DDT・BOYZの神田明神ホール大会で平田一喜と対戦。10分20秒、プレイングマンティスボムで勝利。9月7日、後楽園ホール大会でドリュー・パーカーを相手にノーDQマッチで防衛戦。13分55秒、プレイングマンティスボムで勝利。10月10日、TVマッチで吉村直巳を相手に防衛戦。13分45秒、変型オクトパス・ストレッチで勝利。11月3日、大田区総合体育館大会で上野勇希を相手に防衛戦。14分5秒、リストクラッチ式WRに敗れて王座転落。11月22日から始まったD王 GRAND PRIXに参戦。開幕戦の後楽園ホール大会でHARASHIMAと対戦。11分13秒、蒼魔刀に敗れた。11月27日、成増アクトホール大会で坂口征夫と対戦。10分45秒、変型羽根折り固めに敗れた。11月28日、成増アクトホール大会で彰人と対戦。13分10秒、変型十字架固めでフォール勝ち。11月29日、アゼリア大正ホール大会で竹下幸之介と対戦。24分41秒、変型アームロックでTKO勝ち。12月6日、成増アクトホール大会で岡谷英樹と対戦。6分13秒、エレベーター・アクション・デス・パレードで勝利。12月12日、成増アクトホール大会でMAOと対戦。14分28秒、首固めにフォール負け。リーグ戦は3勝3敗(1不戦勝含む)に終わった。12月24日、DDT・BOYZの北沢タウンホール大会で政岡純と対戦。11分15秒、プレイングマンティスボムで勝利。12月30日、大日本プロレスの後楽園ホール大会でドリュー・パーカーと組んで野村卓矢、阿部史典組のBJWタッグ王座に挑戦。16分6秒、野村のドラゴンスープレックスにドリューが敗れた。

2021

21年3月14日、後楽園ホール大会で勝俣瞬馬のEXTREME級王座に有刺鉄線棺桶デスマッチで勝利。14分10秒、棺桶葬で勝利。EXTREME級王座を獲得した。4月4日、自らがプロデュースする海外向けTVマッチでメカマミーを相手にノーDQエニウェアフォールマッチで防衛戦。12分14秒、ジャックナイフ式エビ固めオン・ザ・子供用プールで勝利。5月2日、爆破甲子園の鶴見青果市場大会で翔太と対戦。17分39秒、エビ固めで丸めこんでフォール勝ち。5月4日、後楽園ホール大会でアイアンマン王者の赤井沙希とダブルタイトルマッチ。17分38秒、プレイングマンティスボムで勝利。5月9日から始まったUltimate Tag Leagueにアントーニオ本多と組んで参戦。1勝3敗に終わった。6月10日、新宿FACE大会でKING OF DDTに参戦し、1回戦で遠藤哲哉と対戦。20分50秒、シューティングスタープレスに敗れた。7月15日、新宿FACE大会でアイアンマン王者の青木真也とノーDQ・ノーサブミッションルールでダブルタイトルマッチ。17分32秒、ダイヤル固めにフォール負けして王座転落。7月18日、宮城・ホワイトキューブ大会で岡田佑介と対戦。12分54秒、グラウンド・オクトパスストレッチで勝利。7月24日、和泉シティプラザ弥生の風ホール大会で彰人と対戦。13分18秒、プレイングマンティスボムで勝利。8月9日、岩手教育会館多目的ホール大会で松永智充と対戦。7分19秒、グラウンド・オクトパスストレッチで勝利。9月4日、名古屋国際会議場イベントホール大会で坂口征夫と対戦。14分55秒、変型グラウンド・オクトパスストレッチでレフリーストップ勝ち。9月26日、後楽園ホール大会で竹下幸之介のKO−D王座に挑戦。29分51秒、プルス・ウルトラ(変型チキンウィングフェイスロック)に敗れた。11月3日から始まったD王 GRAND PRIXに参戦。11月6日、横浜ラジアントホール大会でHARASHIMAと対戦。15分6秒、サムソンクラッチでフォール勝ち。11月7日、万代島多目的広場大かま大会で竹下幸之介と対戦。18分46秒、マヤ式ホイールバロー・ジャーマンスープレックスに敗れた。11月10日、新宿FACE大会で岡林裕二と対戦。13分16秒、ゴーレムスプラッシュに敗れた。11月13日、京都KBSホール大会で樋口和貞と対戦。14分49秒、ブレーンクローから押さえこまれてフォール負け。11月14日、大阪・176BOX大会でMAOと対戦。16分51秒、リングアウト勝ち。リーグ戦は2勝3敗に終わった。

2022

22年1月3日、後楽園ホール大会でマスコットキャラのポコたんと対戦。容赦なく厳しい攻めを連発し、13分57秒、プレイングマンティスボムからの顔面へのダイビング・フットスタンプでレフリーストップ勝ち。試合後、バルコニーに出現したヨシヒコがスーパーダイブを敢行し、クリスを襲撃。大乱闘を展開し、クリスは一騎討ちを要求した。1月7日、新宿FACE大会でヨシヒコと対戦。13分15秒、テーブルの上へのプレイングマンティスボムで勝利。1月30日から始まったUltimate Tag Leagueに高梨将弘と組んで参戦。2月23日、ウィル福島大会で納谷幸男と対戦。12分41秒、デス・バイ・ロールアップでフォール勝ち。リーグ戦は2勝2敗に終わった。3月2日、新宿FACE大会でHARASHIMAと対戦。13分33秒、プレイングマンティスボムで勝利。3月13日、大阪・すみのえ舞昆ホール大会で吉村直巳と対戦。12分54秒、大阪プライドに敗れた。3月20日、両国国技館大会で高梨将弘と組んでHARASHIMA、吉村直巳組のKO−Dタッグ王座に挑戦。18分50秒、クリスがハウス・ピアノ・デスで吉村に勝利。KO−Dタッグ王座を獲得した。4月10日、後楽園ホール大会で火野裕士、納谷幸男組を相手にタッグ王座の防衛戦。13分19秒、Everclear(合体式の丸めこみ)で納谷にフォール勝ち。同日、動画配信サービWRESTLE UNIVERSEで路上プロレス世界一決定トーナメントに参戦し、1回戦で怨霊と棺桶マッチ。15分43秒、爆破卒塔婆で殴り、棺桶に入れて勝利。4月16日、動画配信サービWRESTLE UNIVERSEでの準決勝で町田光と対戦。静岡・ふもとっぱらキャンプ場で行われ、22分24秒、木の上でのオクトパスストレッチwithツリーで勝利。4月23日、動画配信サービWRESTLE UNIVERSEでの決勝でアブドーラ小林と対戦。川中島古戦場跡で行われた。20分55秒、ラダー上からのダイビング・セントーンで勝利。路上プロレス世界一決定トーナメントに優勝した。4月24日、神戸芸術センター大会で高鹿佑也と対戦。10分17秒、グラウンド・オクトパス・ストレッチで勝利。5月1日、横浜武道館大会で秋山準、岡田佑介組を相手にタッグ王座の防衛戦。21分9秒、高梨がサドンデスを片エビ固めで切り返して岡田にフォール勝ち。5月15日、広島県立広島産業会館・東展示館大会で石田有輝と対戦。8分47秒、みちのくドライバー2で勝利。5月22日、後楽園ホール大会でMAO、朱崇花組を相手にタッグ王座の防衛戦。14分8秒、MAOの大阪臨海アッパーにクリスが敗れて王座転落。6月16日、新宿FACE大会でのKING OF DDTトーナメント1回戦で吉村直巳と対戦。7分24秒、払腰に敗れた。9月4日、名古屋国際会議場イベントホール大会で朱崇花と対戦。12分6秒、プレイングマンティスボムで勝利。9月16日、幕張メッセでの東京ゲームショウでクリストファー・ダニエルズとエキシビジョンマッチ。10分17秒、ベスト・ムーンサルト・エバーに敗れた。11月1日から始まったD王 GRAND PRIXに参戦。開幕戦の後楽園ホール大会でMAOと対戦。11分53秒、リングアウト負け。11月5日、横浜ラジアントホール大会でKANONと対戦。11分30秒、ハウス・ピアノ・デスで勝利。11月12日、大阪府立体育会館・第2競技場大会で納谷幸男と対戦。5分24秒、バックドロップに敗れた。11月13日、京都KBSホール大会で樋口和貞と対戦。14分12秒、頭突きに敗れた。11月18日、後楽園ホール大会で火野裕士と対戦。12分10秒、変型サムソンクラッチでフォール勝ち。リーグ戦は2勝3敗に終わった。12月13日、ARENA下北沢でプロデュース興行を開催し、ドリュー・パーカーと対戦。20分時間切れ引き分け。

2023

23年1月3日、後楽園ホール大会で高梨将弘と組んでMAO、勝俣瞬馬組とKO−Dタッグ王座決定戦。19分2秒、俺たちのまっどまっくすに高梨が敗れた。1月5日、板橋区立グリーンホール大会で正田壮史と対戦。10分21秒、ハウス・ピアノ・デスで勝利。1月7日、鶴見青果市場大会でデモニオ・ウノとチェーンデスマッチ。12分37秒、オクトパスストレッチでレフリーストップ勝ち。4月25日、我闘雲舞の新木場1stRING大会で高梨将弘と組んでドミニク・ガリーニ、ケビン・クー組のDPW世界タッグ王座に挑戦。17分20秒、チェイシング・ザ・ドラゴンをくらって高梨がドミニクにフォール負け。5月6日、新宿FACE大会でKING OF DDTに参戦し、1回戦でHARASHIMAと対戦。12分8秒、プレイングマンティスボム2連発で勝利。5月7日、新宿FACE大会での2回戦で高木三四郎と対戦。12分4秒、プレイングマンティスボムで勝利。5月21日、後楽園ホール大会での準決勝で秋山準と対戦。11分20秒、プレイングマンティスボムで勝利。同日の決勝で樋口和貞と対戦。24分28秒、グラウンド・オクトパスストレッチで勝利。KING OF DDTに優勝した。5月29日、我闘雲舞の新宿FACE大会で高梨将弘と組んで鈴木心、趙雲子龍組のアジアドリームタッグ王座に挑戦。試合中にクリスが右肩を脱臼して試合続行不可能になり敗れた。7月7日、新宿FACE大会で復帰。7月23日、両国国技館大会のメインで火野裕士のKO−D王座に挑戦。21分4秒、プレイングマンティスボムで勝利。KO−D王座を獲得した。8月24日、ARENA下北沢でプロデュース興行を開催し、ヨシヒコと対戦。10分53秒、顔面踏みつけ式テキサスクローバーホールドで勝利。9月9日、大田区総合体育館大会で入江茂弘を相手に防衛戦。27分36秒、プレイングマンティスボム2連発で勝利。9月19日、新宿FACEでの高梨将弘自主興行で高梨将弘と対戦。24分7秒、プレイングマンティスボムで勝利。9月24日、後楽園ホール大会で赤井沙希を相手に防衛戦。21分、変型オクトパス・ストレッチでレフリーストップ勝ち。11月12日、両国国技館大会で上野勇希を相手に防衛戦。29分39秒、WRに敗れて王座転落。11月26日から始まったD王GRAND PRIXに参戦。 開幕戦の後楽園ホール大会で納谷幸男と対戦。16分10秒、バックドロップに敗れた。12月2日、新宿FACE大会でKANONと対戦。9分27秒、プレイングマンティスボムで勝利。12月3日、新宿FACE大会でMAOのDDTユニバーサル王座に挑戦(D王の公式戦)。21分34秒、リングアウト負け。12月16日、福岡・西鉄ホール大会で平田一喜と対戦。9分46秒、首固めにフォール負け。12月21日、腹部に良性の腫瘍が見つかり摘出手術のため欠場することが発表された。リーグ戦は1勝4敗(うち1不戦敗)に終わった。



スクラップブック
英国の人気選手が日本に移住、クリス・ブルックス「大きな団体よりDDTで自由にやりたい」
(ABEMATIMES 2020年3月18日18:35配信より)
 DDTが新設したタイトル・DDT UNIVERSAL王座の初代チャンピオンになったのはイギリスのクリス・ブルックスだった。昨年、待望の初参戦を果たすとKO−D無差別級タイトルマッチで竹下幸之介と激闘を展開。リーグ戦「D王グランプリ」ではブロック1位タイという結果を残した。破天荒な闘いぶりはまさにDDT向きだ。
 ファンから愛されるだけでなく、クリスも日本を愛している。今年に入って日本に移住。そこで掴んだのがUNIVERSAL王座だった。王座決定戦で倒した相手は竹下である。3月20日の後楽園ホール大会では、DDTトップの一角である佐々木大輔の挑戦を受ける。
 クリスは1991年、イギリス・ティプトン生まれ。「車で5分か10分も走ると横切ってしまう小さな町。ティプトンで生まれたら、一生そこで過ごすっていうイメージがある場所」だったが、少年時代に「親戚のクールなおじさんが買ってくれた」のが初期レッスルマニアのVHSだった。
 そこからプロレスファン街道まっしぐら。インディーの世界を知ってより深くハマった。友人たちとバックヤードで試合し、そのメンバーのツテで小さな大会で一応のプロデビューを果たす。16歳の頃だ。
「人数が足りないから“じゃあクリスに出てもらうか”って。ウルティモ・ドラゴンのマスクをかぶって、入場曲もその場にあったプロレスのCDから。カワダ(川田利明)の曲だったね。ウルティモのマスクをしてカワダの曲で入ってくるガリガリのガキ(笑)。それが僕のデビューだった」  彼がキャリアを積んでいく時期に、イギリスのマット界は盛り上がりを増していった。一つ上の世代にはウィル・オスプレイザック・セイバー・ジュニアがいた。有力プロモーションであるファイトクラブ・プロは、日本大会も開催している。
 日本は、クリス自身にとっても夢の場所だった。DDT初参戦時には、毎日のようにどこかの会場で試合を観戦するクリスの姿を見かけたものだ。リングの上でも大きな刺激を受けた。DDTのリングは、何よりも自由だった。
「何しろプールで試合するんだからね。そうかと思えば象と一緒に路上プロレス(市原ぞうの国大会)。これは他ではできない」
 いうまでもなく、世界最大のプロレス団体はWWEである。そこには世界各国のトップ選手が集まってくる。だが、クリスの選択肢にアメリカはなかった。
「1年半くらい前かな、NXT UK(WWE系列のイベント)からオファーがきたんだよ。だけど僕は日本で闘いたかった。その選択は間違いじゃなかったと実感してるよ」
 彼が嫌うのは、好きで始めたプロレスが“単なる仕事”になってしまうことだ。金のために我慢したくないし、そのことでプロレスを好きでいられなくなるなんてもってのほか。
「日本でも小さな団体から大きな団体に行って、そこからアメリカへっていう道もある。でも僕は契約書でガチガチに縛られるプロレス人生より、DDTで自由にやりたい」
 実際、クリスのプロレスは自由そのものだ。プールプロレスも路上プロレスもお手のもの。3月11日のさいたまスーパーアリーナ路上プロレスでは、大仁田厚と組んで電流爆破マッチにも参戦した。また彼は女子選手との闘いでも知られる。
 日本でクリスの存在がクローズアップされたきっかけの一つは、イギリスでの里村明衣子戦。日本では東京女子プロレスの伊藤麻希と「NEO伊藤リスペクト軍団」を結成した。極小イベント「崖のふち女子プロレス」で松本都とハードコア戦を敢行、頭に竹串を突き立てたこともある。シリアスにせよコミカルにせよ、女子を“見下す”感じではなく一人の対戦相手(パートナー)として全力で対峙する姿勢が抜群にいい。
「女子選手と組んだり対戦する時には、相手が女子だっていう意識を捨てることにしてるね。まあ、捨てようと思うこと自体、意識してるってことになっちゃうんだけど。ただサトムラ、イトー、マツモトといった人たちは、男子とか女子とかいう前にレスラーとしての個性が強い。だからこっちも、その個性にどう向き合うかを考えるだけだね」
 プールで闘い、路上も爆破マッチも女子との対戦も一級品。DDTでの自由を堪能し、なおかつレスラーとしてのポテンシャルを感じさせるクリス。その存在は、かつてのケニー・オメガのようだ。ケニーはDDTから新日本プロレスに巣立ち、さらにアメリカで新団体AEWの副社長を務めることになった。だがクリス自身は、ケニーとは違う生き方をしたいと考えている。
「僕は“ネクスト・ケニー・オメガ”ではなく“ファースト・クリス・ブルックス”として生きたい。ケニーのように外国人選手として突き抜けた存在になりたいという気持ちはあるけどね。こないだ、タケシタ(竹下幸之介)とウエノ(上野勇希)と食事に行ったんだけど、その時に話したのは“自分がどうなりたいか”よりも“どうやってDDTを大きくしていくか”を考えたいねってことなんだ」
 プライベートでは「ごく一般的なオタク」だというクリス。アニメを見ながら日本語の勉強をしている。
「少なくとも、まだ一度もイギリスに帰りたいと思ったことはないよ」