ムシャッピーBBS


第8回  松井紳介 
過去の掲載分はこちら!→
       



依頼
マ・フィ〜ア様
いつも楽しく拝見しております。27歳、女です。
さて、JR中央線って、飛び込み自殺が多いですよね。異常な数です。
あれって、あの沿線は学生やなんかが沢山住んでるから、そういう若い人が、人生のどこかでつまづいたりして、世を儚んで・・・みたいなケースが多いのかなと、何となく思っていました。でも、違うらしいですね。
中央線の利用者じゃない人間の方が多いらしい。どこか他のエリアから、下手すると他府県からも、わざわざ死ににやって来る。自殺の名所なんですよ。○○ヶ浦とか、○○団地みたいな。そういう場所が、文字通り中央を横断してる〈東京〉って、もうダメなのかなあ〜・・・なんて。
こういう話を聞くと、私は本当に気分が悪くなります。最近流行りの〈ネット心中〉もそうですけど、自ら命を絶つに及んで、なお孤独に自分と向き合う事のない(と私からは見える)人達について見聞きするたび、とても動揺して、冷静でいられなくなるのです。
それが何故なのか、自己分析してみたのですが、思い出すのが、アッバス・キアロスタミというイランの映画監督の、インタビューでの言葉です。
〈自殺という概念、人生の選択肢の存在を知らなかったら、私はとっくに死んでいるだろ う。〉
パラドックスですけど、自殺という可能性を残しているからこそ、生きていけるという。
私は、慢性的に死にたい死にたいと思っている人間なのですが、〈ダメだったらいつでも死ねばいい〉と一種の保険を打つ事で、人生をやり過ごして来た部分もあるんだと思います。〈自殺〉は、ここ一番の切り札として、大切に取り置いているんでしょうね。
それを、ああいう美しくない(と私が感じる)形で目の前に突き付けられると、道を一つふさがれてしまう気がして、不愉快に感じるんだと思います。〈退路を断つ〉という言葉があって、死を覚悟した人が使ったりしますが、〈自殺〉くらい大きな退路は無いのではないでしょうか。
〈自殺〉には、もっとロマンを感じたい。何だか、自分が一生懸命生きてない事への言い訳の様な気もするのですが、リセットを想定する事なく、正面からまともに向き合うには、人生は辛過ぎるものだという事も、私にとっては事実なのです。
マ・フィ〜アさんは、自殺を考えた事なんかありますか? また、そういう時はどんな曲を聴けばよいと思いますか? 是非教えて下さい。

---------------------------------------------------------------------
(身長2メートル、コンピューター制御で人間そっくりの動きをする、全身がチョコレートでできたロボット「チョコボット」に飛びかかり、頭から丸かじりしながら)
ワハッハッハッハッハッハ・・・・・・・・。
(「落語は業の肯定/立川談志」とバック・プリントされたTシャツに着替え、上半身をロデオ・マシーンの様に激しく上下・左右させて抵抗するチョコボットに全身でかじりつくと、チョコでべトべトになった笑顔を輝かせ、一転、光の失せた碁石の様な眼で虚空を見つめ、また笑顔、秒単位でくるくる表情を明滅させながら、ロボットの頭部・右肩にかけてほとんど食べ終え、あちこちからチタン合金の骨格、基盤、赤・白・黄色・緑の細いコード束ねたのだのむき出した、茶色い巨人の背中で揺さぶられるうち、ふと、ビキニ用に特化したリング型ハンガー「ボインガー」を売る飛び込み営業マン時代の、娘ほど年の離れたアパレル店員に鼻であしらわれた日々が胸に去来し、悲しく、カカオとガソリンの混じり合った甘く粗暴な匂いが漂う中、やおら着物の裾をまくり、雪の様に白いお尻突き出すと、青い大量の整髪用ジェルを放出、太ももをペチッと叩き、見栄を切りながら)
女は血を見るのは慣れてンだッ!! ワハッハッハッハ・・・・・・。

ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第9番ニ短調 作品34」より第3楽章を選曲でマ・フィ〜ア!!

※ANTONIN DVORAK ドヴォルザークは1841年、ボヘミア(チェコスロバキア)に生まれました。故郷チェコの伝統的な旋律を使ったのどかで美しい作風で、多くの人に親しまれる作曲家です。この室内楽は、愛する娘を亡くした悲しみから生み出された作品の一つです。


ワハッハッハッハッハッハッハッハ・・・・・・・・・・。
(「つめ込み教育」を、てっきりウンコをつめ込む事だと早合点し、チョコボット量産をもくろむ秘密工場から流出される、チョコレート色の廃液によって畸形化した巨大カナブンにまたがって、抗議の為、とりあえずターゲットに選んだ上智大学の構内を練り歩き、ミュールに合わせコーディネイトしたイタリア製ミリタリー・パンツをそっとずらすと、お尻から大量の杏仁豆腐のおつゆを噴射、言いとがめる学生に無言で歩み寄り、「ゴボッと・・・ガイ骨!」と彫られた胸元の刺青チラつかせ、水滴だらけの、デカいメタル・フレームの眼鏡越しにドス黒い悪意をみなぎらせた眼光を向け威圧、柔らかなお尻で踏みつぶし、ポーチから取り出した「マ・フィ〜アけんかマップ2003」に何やらマーキングすると、チンチンを軸に回転を始め、地球ゴマよろしくそのままゆっくり移動、夕刻の交通量の多い車道に躍り出し、驚いて急ハンドルを切った献血車を交通標識に激突させ、横転、タイヤの空回りする腹を見せた車体が、道路との接地面から大量の新鮮な血液を垂れ流す中、マ・フィ〜アはよりいっそう回転を増し、いつしか上昇し始め、拡がる真っ赤な円と、それを取り巻くパトカー・野次馬の同心円とを遥か眼下に見下ろして、その全てを照らすが如く発光しながら、空に向かってどこまでもどこまでも昇っていった。)
選曲のご依頼、「私の事、一度も車道側を歩かせなかったね」等メッセージは→マ・フィ〜ア・ポストまでお気軽に
ムシャッピーBBS
Dedicated to Daddy U-ROY