(杏仁豆腐をベースに、茎わかめ、インディカ米、飲み残しの銀河高原ビール、整髪用ジェル、粉状にしたキャベツ太郎、ピスタチオの殻、ベープマットのかけらを混ぜ合わせ、刺身醤油で仕上げた自作の特製スイーツ「マフィマフィ」を、デザート・スプーンでそっと口へと運び、・・・満足気にウィンクして、親指を突き出しながら)
・・・ジェノサイド!! 諸君、セレブな時間〈とき〉を過ごしておるかな〜? いつまでもこうしていたいところじゃが、山積みになっとる依頼にも対処せねばならん。今回はこれじゃ! 依頼 5 マ・フィ〜アさんへ 30歳の会社員です。2歳1ヶ月になる女の子がいます。初めての子ですし、彼女の将来の為なら出来る限りの事をしてあげたいと思っているのですが、子育てに関する情報は巷に溢れ返っていて、考え出すときりがありません。この時期の情操教育は音楽が良いという話もよく耳にするのですが、何か具体的にご教授下さればと思います。よろしく! --------------------------------------------------------------------- (ゾッとする程醒めた表情でチンチンの先にウォーター・リップを塗り、ぷるるん効果を確認しながら) ・・・その位の年の子の脳は、まだ物事をちゃんと記憶する力が備わっておらん。のじゃが、感情を伴った記憶をつかさどる機能だけは、すでに活発に動き出しておるらしい。しかも、その「扁桃体」という部位に一度記憶された情報は、その後生涯消えない仕組みになっておるという事じゃ。 音楽は、感情にダイレクトに訴えかける芸術じゃ。人格形成の土台に影響を与えてしまうのじゃから、可能な限り、美しい作品を選んであげるべきじゃな! |
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●ゆらゆら帝国「太陽の白い粉 」を選曲でマ・フィ〜ア!! |
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ゆらゆら帝国は、89年東京で結成された3ピースのロック・バンドじゃ。インディーズ時代を入れると、8枚のアルバムを出しておる。ジャケット・デザイン等も含めて、活動の全てに一貫した美意識の発動を感じさせる、非常にスタイリッシュなバンドじゃ。ある一人の、強烈な個性を持ったアート・ディレクターの意志を反映しておるんじゃろう。共和国ではなく「帝国」という位じゃからな。 (巨大なタンポンをぶんぶん振り回して、総会屋を追い払いながら) これは、彼らが99年リリースしたシングル曲じゃよ。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのスターリング・モリソンを思わせる、オルゴールの様なギターの響きや、強く想像力を喚起するが、イメージを押し付ける事をしない繊細な歌の世界が、とても美しいのじゃ。 |
「扁桃体」という、こころの眼だけで物を見ている子供達は、光の三原色が混じり合った、純白の世界に住んでおるのじゃよ。そこで流れるBGMには、こんな曲こそ相応しい。
早速、娘の子守唄にするが良い!! きっと美人に育つのじゃ〜。(ハワイの土産物屋で購入した、ソーセージが「温めてから召し上がれ」と喋っている下品な図案がプリントされたブリーフ一枚という姿で、こすっからい笑顔を浮かべ、「借りた金は返せ」「人間だったら約束は守れ」など無数の貼り紙のある文化住宅のドアの奥へと消えて行きながら・・・) |