ダークロHP
小市民ダークロの
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短文集その3

俺の周りには今ごろ五月病になってる遅れたのがいて、ほんと季節の変わり目を感じさせられちゃうよ。マジでフィロソフィーのギンガムチェックにバブーシュをはきたい気分だよ。であるべれたふぇれてい。えろけりゃなんでもいいんだろでろくあ。でにむなあなすい。ぼうぶらうすはそそる。そにあはかるくていいなりきえるないとあんどでい。ありゅーるおむのにおいをかいだことない。  △



なんか久しぶりにテレビを見た。1ヶ月以上はほんとに見てなかったと思う。昼飯の時、ちょっと見ただけ。画面が移り変わって面白かった。  △



行ける所まで行ってみて、思ったことを20文字以内で答えなさい。  △



真っ白で。いたる所に線が取り囲む。点にならなきゃいけないみたい。相変わらず貧弱なおれの体。螺旋階段が永遠に続く。機械的にただ足を前に出すだけだ。ただもう疲れて起き上がれない。時を止めて隠れつづけていた。電話のベルを鳴らしたのは君だ。ただもう永遠にふらふらと漂っていくのかも。ただもう永遠にもがき続けていくのかも。真夜中に道を歩く。ウエスタンバック。ウエスタンバック。カムヒア。もう若くはないが大人になるのを忘れた。飛び続ける深夜のおれの頭。酒を買いにコンビニまで歩く。途中で雨が降り出した。酔っぱらいがけんかして警官がそれを取り囲む。濡れながら立ち止まり、彼らと目が合う。発作のような衝動で生きたくはない。ウエスタンバック。ちょっと行ってくる。点ではなく線で生きている。それをやさしく丸でとりかこむのが君。いつも笑ってくれる君を見かける。ウエスタンバック。ウエスタンバック。ありがとう。カムヒア。 △



たぶんHDDがイカレたんだ。OSが立ち上がらない。いろいろ詰め込みすぎたんだよ。バラバラになった。プログラムがエラーだらけ。いろいろインストールしてたからボロボロになった。ゴミ箱に入れても消えない私のメモリ。哀れな末路ってやつだ。だけどまだ生きている。ランプがついている。CPUは速い。ファンの回転がいい。OSなんていらないOSなんていらない、だって何でもできるから。プログラムが楽になって、ソフトが増えていく。全部うすっぺらい窓の上で、ゆりかごからゴミ箱までコピーアンドペーストする連中だらけ。すべるように、フォルダの中に、みんなみんなが入っていく。ポシャるまでそのまま。いらなくなればゴミ箱行きだ。どうです私のプログラム。なぜだかエラーが出ているみたい。だけどなんだか生きている。私のソフトは強い。OSなんていらないOSなんていらない。 △



 夏だから、朝から晩まで街をうろうろしていたい。街中にライトがついたら、もうPM5:00だ。ちょっと涼しくなってきた。何も思い浮かばない。シナモンロールのドーナツが食べたい。日本人を探している。探す基準が分からない。酒でも飲んで憂さを晴らしたい。酒を飲んだ次の日は憂さばかり。頼みもしないのに次の日が来ちゃう。自由行動。次の日の周回軌道。夢だけがコンピューターゲームに勝てる。
 昼間になっていて、白いプラスチックの椅子やテーブルが熱を持って熱い。ホットドックを売るワゴンから競馬の実況中継が聞こえる。ドライなラガービール。遠くで人が並んでいる。まだ6時間もあるのに。イチゴクレープを食べ終わる。とても広い場所だ。女がいるけど同時に男もいる。体が重い。つまらないものを口に入れすぎて動けない。もう・・・。重力はつまらない。
 朝になって、まだ暗いうちに目が覚めた。体が震えて止まろうとしない。どこか別の場所に、まだ寝つづける自分がいる。体をゆらゆらさせる。自転車が目の前を通り過ぎる。あれは新聞あれは牛乳あれは警官あれは通勤途中おれは夢の途中、途切れることのない夢の途中。すぐにもう、消えてしまいたいくらいだが。暖かくなる。コーヒーにクリープを入れる。スプーンだけがそこにあるみたい。コーヒーの香りが実存をごまかす。コーヒーがおいしいのは、たぶんペシミズムが効いているせいだ。肩がこる。なんとなく昨日がまだ続いているみたい。何か買い物に。服でも。CDとか本とか。喜びの増す道具なら何でも。何でも欲しい。犯罪者が街を闊歩するように、犯罪的なバカも街を闊歩する。目立たないように。吸殻がいたるところに転がっている。コンクリートが冷たい。春の匂い、土の匂い。眠りから覚めたアヒルの匂い。
 昼間は何一つ考えなかった。
 クラシックの音楽が聞こえているが、目の前は雑踏だった。モーツァルトだろうか。我々を見つめているのは。化学薬品が巻き散らかされる。自動車の煙と共に走り去れ。人々が何か読みながら話しかけている。燃えるような二酸化炭素。バックがどこか、けだるそうだ。のしかかる時の重みに椅子がゆれる。ガタガタとおばさん達が取り囲む。忘れ去られたオーケストラ。ちょっと歩いて羅列された場所へ。中身は涼しげ。全部自分の物のような気がしてちょっと満足だ。もうすでに、自分がその中にいるので。何の価値も、その中に見いだせなくて。落ち着いてよく見れば、この場所が、ただの通路だと気づくはずなのに。
 ただ。笑いながら。もうすぐ夕暮れが、ライトを浴びながら、迫っている。シナモンロールをすぐに食べよう。 △



親が離婚した友人がいた。「私の家、ファミレスなんだ」と言っていた。ファミリーがレスっていう意味。「だったら24時間営業かな?」と、おれはいいように解釈した。ファミレス。ファミコン。ファミマ。全部一人暮らしの必需品。ファミが付くと、逆にファミリー装っててやだな。ファミ人(にん)とかになろうかな。フェミニンやフェロモンみたいでいいかもな。  △



アメリカのテロについて。テレビを見ていたら、アメリカの議会が緊急対策予算4兆円の支出を認めていた。友達が「あ、あのビル建て直すんだ」と言っていた。平和でいい。  △



きっと何も知らないのだろう、知る時間がないもの、流れながら忘れ去られるだけだろう、本当に君のことを知らない、分かるはずがない、どこにでもありふれたことを言いながら、それはちがう、君はこの言葉を聞いて、きっと笑うだろう、そりゃそうだろうな、ここにいるかぎり、永遠なんてない、流れるように実れ、とろけるように流れ、その流れの中で、静かに浮かび踊れ、本当にやさしそう、そのままおいしそう、でも知っていることもある、知る時間があったもの、流されながら分かったふりをしていたくない、本当に君のことを知らない、分かるはずがない、どこにでもありふれた不思議な気持ちが、ここにほしい、君はこの言葉を聞いて、きっと笑うだろう、笑わせてやるよ、ここにいるかぎり、永遠なんてない、流れるように実れ、とろけるように流れ、その流れの中で、静かに浮かび踊れ、本当にやさしそう、そのままおいしそう、永遠なんてない、流れるように実れ。  △



このままだとクリスマスも正月も35才独身プログラマーの鈴木さんと過ごしてしまいそうだ。打ち上げは1月15日。鈴木さんの誕生日だ。毎日のように長電話だ。週に一度は会ってるし。別の会社の人は深夜一時に雨でずぶぬれになりながら私に会いに来てくれたりしてたけど。愛されてれるなあ。 △



最近笑えた他人のBBS
取っとかないとそのうち消えちゃうから、おれが記念に残してやる。

[56]無題 青戸 - 2002/02/19(Tue) 10:31[返信] New
今日はいい天気ですね。

[57]Re: 無題 池田 - 2002/02/20(Wed) 01:52[返信] New
ほんとうにそうですね。

[58]Re: 無題 あお - 2002/02/20(Wed) 09:45[返信] New
今日もいい天気ですね。

[65]ムーミン谷 あお - 2002/02/21(Thu) 01:29 [返信]
今日、友人との電話で中学時代の同級生が今何をしているかという話しになった。偶然、友人が居酒屋で元同級生と出会い情報を聞き出した所、当時、アッパーだった人はそれなりに今もアッパーライフを送ってるとのこと。そういう人は元同級生でも同じような仲間とつるんでいるということだ。友人は、彼らになかなか会わないと思ったら、俺らがデニーズでつるんでいる時、彼らはどっかしらのクラブでつるんでいたんだと、納得。公立中学と言うのは、どんなのも同じ学区域ならクラスメートという、その後に無い状況なので、当時の記憶と現状の比較で、どのタイプがどう言う大人になるのかが、類別出来る。 まず、クラスの中は狩猟系と農耕系に分かれ、狩猟系の人間が俗に言うアッパーライフになるとの見解で一致した。 競争的で覇気のあるタイプ。 農耕系は、やはりコツコツやっている。 で、俺らはなんだったんだと言う話しになり、その頃、我々はムーミン谷にいたんだということになった。

[67]Re: ムーミン谷 だーくろ - 2002/02/23(Sat) 03:12 [返信] New
ムーミン谷にいたんですね。それは、すごい。私の中学生のころを思い出してみました。体重が重くて腹がとびぬけて大きな人と、顔中ニキビだらけの人、異様にやせこけている私、成績が下から学年でいつも一番の人、歯がギザギザで耳がとんがっていた人がクラスにいました。みんなから「最低五人組」と呼ばれてました。そのうちの一人は大学4浪になった所まで記憶しています。もう一人は千葉でねずみこうやっています。私もあの時ムーミン谷を探してみたけど見つからなかったです。どこにも逃げ場はなかったな。 △



===僕の目の前にはコンピューターしか話し相手がいないので、少し親身になって考えてみた日===
「「エレクトロニクスは中心を持たない平べったい石だ」と立教大学の教授が言った。情報化社会においては、自分自身も情報の1つと見なさなければ円滑に行為できない。」今、大学一年の時のノートを見ている。最後の行は「迷いつつ生きる」だって。
時代が進むにつれ、ウインドウズのバージョンが変わるけど、異星人と話しているかのような日本語メッセージが素晴らしい。マックの方が文学的だと思う。機械だけど不完全な感じだ。SF映画やSF小説に出てくる未来都市のパソコンは、エラーがほとんど出ない。でも、もしかしたら、時代がたつにつれて、どんどんエラーまみれになっていくのかもしれない。正常に動けばすごい機能を発揮するんだけど、ほとんどそんなことはなくて、いつも途中で止まっちゃったりする奴。それが堂々と新品で売られてたり。たぶん、これからはやるのは、「こうすればエラーが出なくなる100の方法」といったハウツー本だ。で、内容は「パソコンの置く位置を変えてみよう!磁気や電波も月の月の引力に影響される。エラーを直す神社のお守りベスト100。起動する前に指圧する7つのツボ。ヘチマ水が効く?これからの管理職は主体性をもって基盤に接してみる」といった感じ。もう複雑になりすぎて迷信以外に対処方法がないような。サポート電話が心の悩み相談室みたいになったり。「新宿のマザーボード」みたいな団体とか。それとは逆になるが、ハードウェアで全てを解き明かそうとする一派も現れるかもしれない。デザイン雑誌で回路図みたいな作品をよく見るけど、もう少したてば回路図も表現方法の一形態として認められる日がくると思う。文学だって「回路派」とか出てきて、回路図がビッシリと200ページくらい載った小説がハードカバーで売り出されるかもしれないな。「このLSIチップの配置方法が主人公の孤独感を表現している」「複雑に絡み合ったケーブルを解きほぐす名探偵の名推理!まさかこのボードがマザーだったなんて!」などといった書評が出たりする。でも、そのころの本なんて、紙ではなくてディスプレイ上で展開されるだろうな。そうなったらハードウェアはどんどん大きくなって、やがては「ペンティアムプロセッサ900搭載のアパート」とかいう物件が出るはずだ。「ウチのマンション、2DKなんだけどマシンが二部屋占領してるんだ、だまされたよ」「ウチは押入れがケースだからかさばらないよ」なんて会話が聞こえる時代。壁にボードが敷き詰められていて、冬でも冷却装置が動いていて、スゲー寒かったりするんだよ。部屋自体がブーンってうるさかったり。
話を現実に戻そうか。コンピューターって勝手に止まったりするけど、悪いことしている自覚がないから迷惑だ。一言「ごめん」と謝るマシンが出たらヒットすると思う。「ああ、頭がこんがらがってきた!」と、落ちる直前にCPUなどの実況中継をしてくれるマシンとかほしいな。あと、コンピューターって、適切な操作をすれば動くのでマニュアル人間製造機にもなりやすい。一台ごとに個性がほしいところだ。「鈴木」とか名札がついているマシンとかいいな。それぞれにデスクトップキャラクター(プレインストール済)の顔が違うとか、変化がほしい。突然デスクトップからファイルを消してみて、「ゴ、メーン!うそうそ!」とか言いながらファイルをまた出してみたりする茶目っ気のある奴がいてもいいのではないか。きちんと育てないと出て行ったり死んだりしてデスクトップにいなくなったりして、今まで元気に飛び回っていた「マック」のことが忘れられなくて、それがパソコンメーカーの戦略だと知りつつも思わず新品を買ってしまうんだけど、一台ごとに性格が違うものだからどこかそいつの顔が「マック」に似ていなくて電源を入れると「今日もはりきっていくズラ」なんて言葉端も違ってて、悲しくなった・・・みたいな。昔、「一太郎」とかついていたのに、残念だ。超初心者マシンを売り出しても面白い。機能限定版のマシン。メモ帳しかつかえなかったり。なんだか分かりやすいだろ?コントロールパネルとか絶対に開けない設定で。だんだん機能を覚えていくごとに、ソフト(別売り)を増やしていけばいい。免許制にするとか。教習所とかあったり。実地試験に受からないとソフトが手に入らない。まだ仮免なのに高速のブロードバンドにつなげていると白バイが来て捕まるような。今でもネットのトラブルとかよくある。そのうちソフトの使い方次第によっては命を落とす危険性を持つようになるかもしれない。知らない間にバナー広告をクリックして、生体間移植の臓器提供者に登録されていたり。酔った勢いでファイルをゴミ箱に棄てたら、それが自分のネットマネーの全資産だったり、もしくはペースメーカーの管理ソフトだったり。下手すると交通事故並みに死亡率が高くなるかもしれない。パソコン免許は21世紀に必要だ。A級ライセンスを持つドライバーがマシンを動かして速さを競う世界グランプリが開幕したり。デスクトップって、動かないのかな。川(海でも可)の流れるムービーが流れていて、ファイルが気ままに泳いでいたりするのはどうだろう。同じ種類同士で群れをなしていたりして。網で捕まえたり釣りをしないとファイルが使えなかったり。時間がたつとすこし大きくなって、他の巨大サーバ「海」に行ってしまって、死ぬ間際に卵を産みにまた自分のデスクトップに戻ってくるような。その卵がソフトの次のバージョンだったり。コンピュータウイルスかもしれないが。  △



とりたてて変化がないんだけれど
毎年厚くなるおれのメガネ
グルグルメガネになっていくよ
どうすることもできない
しょーがないー
とりたててどういうわけはないのに
そのうちどんどん目が見えなくなって
光と影が仲良くなるよ
物と物とが一緒になるよ
近近近視が止まったら
乱乱乱視が進んでく
年をとるってどんな気持ちかい
時は見えない見えやしない
だけど年とるかわりにおれは
どんどん目が見えなくなっていくぅぅ〜
うーうー!!
とりたてて変化はないんだけれど
毎年厚くなるおれのメガネ
乱乱乱
ランランランランランラン
ランランララララ乱視が入ってく〜
イェイ!!  △



マイディアノンシュガー。なんで砂糖が入ってないんだよ。
ほかに、どこに甘いものなんてあるんだ?
マイディアノンシュガー。味がしないじゃないかよ。
やせ細っていくだけじゃないか?
マイディアノンシュガー。かわりにおまえは何を持ってる。
カロリーゼロの甘味料だらけだ。
マイディアノンシュガー。砂糖をくれないか。
けちけちしないでたくさんくれよ。
分けてくれよ。分けてほしいよ。
甘い砂糖を。
こんなんじゃ、やせて死んでしまうよ。
カロリーオン!カロリーオン!
どこに甘いものなんてあるんだ?
カロリーオン!カロリーオン!
おれは甘いものがほしいんだ。
カロリーオン!カロリーオン!
けちけちしないでたくさんくれ。
カロリーオン!カロリーオン!
おれの回りに甘いものなんてひとつもないぜ  △



Hのマークに点々がついたピンク色の携帯電話を一年使ってみて、ようやくPメールの存在を知った。イクヲさんありがとう。おかしいと思ったよ。なんでみんな電車の中で携帯いじくってんだって。おれの携帯一円だったから、そんな高性能だとは思わなかった。で、手当たり次第の人に、Pメールしてる。でも内容は、下らないものが多い。「今吉野家」とか「もうすぐつく」とか「アホ」とか。深夜に友達から連続で37件Pメールが入っていたこともあったけど。自嘲の意味をこめて、その中の文章を載せる。訳分かんない文章送っちゃって、みんな、ごめんね。

(本文)げんき?その後おかわりないですか?たあぷぽぽたあぷぽぽ、ちりからちりから。
(題名)暇(本文)暇だからメエル。のような奴らは結構いる。最終的に一番離れて嘲笑っている私がいちばんいやな奴だ。人の痛みを分かる人に成りたいものだ。クラブとかの付き合いは、うわっつらだけだ。痛がっているやつらのいる場所にいたいと心から思う。
(題名)ごめん。少し言ってみたかった。君が正しいとも思うけど。(本文)夜遊びは楽しいに決まってるけど、物作りは楽しいことだけじゃないよ。相手が苦しくなった所でどれだけのことができるかが、物づくりや人間関係で重要だと思う。遊んでいるだけじゃ、永遠に分からない。余裕がなくなって、関係ない場所に逃げて、人の悪口言うのは楽だけどクリエイトできない。私はどこで遊びたいのか良く考える。自分の行きたい場所はどこか。夜遊びしてる人は、確かに要領が良くて人当たりいいと思うけど、クリエイティビティの素養は計れないよ。物作りで最後に勝つのはやさしさだと思う。どこにあるとおもいます?  △



5.2闘魂記念日をテレビで見た感想。

 今回登場したレスラーの中では、小川が一番強そう。でも、いまだにプロレス慣れしてないので、名勝負みたいな試合はできないと思う。大型選手の藤田が来て、小川が来て、高山も来る新日よりは、中軽量選手が多いノアに活路を見出したい天山だが、マイクアピールほどの実力が備わっていない所が痛い。観ているこっちがつらい。

 気持ち悪かったのは、スコットスタイナーの筋肉。思いっきり筋肉増強剤を使用したものだ。もともと兄のリックスタイナーよりも滑らかな動きができる選手だったのに残念だ。関節の柔らかさを訓練しない点や、めまぐるしく変わるグランド攻防ができない点はステロイドプロレスの弊害である。スコットの代名詞でもあったフランケンシュタイナーも今回は観ることができない。ステロイドプロレスラー同士が戦うとレスリングの攻防に変化がなくなってしまう。その結果アメリカ唯一のメジャーな団体(週に二回テレビ放映されている)WWFは、特異なキャラクターや人間ドラマなどに頼らざるをえなくなっている。WWFはシナリオ作家を雇っているほどだ。よって今回の試合スタイナーブラザース対健介棚橋組は、つかんではなげ、つかんでは投げるような、すごく大味な試合展開となった。この試合は女子プロレスラーのチャイナがレフリーだった。すごく大きな胸とお尻。チャイナがいなかったら、客受けもすごく悪かったはずだ。棚橋は武藤みたいな印象をもたせるレスラーだ。首を抱えながら投げっぱなしスープレックスを食らいまくる姿はとても新鮮だった。まだ若いので無理せずに膝や首を大切にしてもらいたい。

 プロレスラーはどこか夢見がちな所がある。ショウだから多少は観客にアピールしないといけないのだろうが、相手が「パンクラシスト」だと、そうも行かない。自分に酔って相手から目をそらしてはいけない。ゴングと同時にタックルをかまし、コーナーに押し込む中西。コーナーにもたれかかるルッテン。3回エルボーをした後に、観客に腕を上げてアピールしようと、中西は後ろに下がった。視線が完全にルッテンから離れた。その隙を逃さずルッテンは掌底(ストレートの張り手。パンチは反則だから。ルッテンはパンクラスという団体のチャンピオン「キング・オブ・パンクラシスト」だった。パンクラスは総合格闘技系の団体で、ルールに厳しい)を中西にたたきつけた。大の字になって倒れこむ中西。掌底はその一撃だけで、ものすごい速さのハイキックをすぐに繰り出すルッテン。中西が掌底の一撃でダウンしたため空振り。この瞬間、ビデオで何回見ても面白い。中西は、プロレス特有のあまりにもゆっくりとしたカウントである所の「9」で立ち上がったが、危うく5秒くらいで試合が終わる所だった。グランドの展開になっても、ジョニーエースよりも上手い、胴締めから腕を決める流れでルッテンが有利。その後、中西が必殺のアルゼンチンバックブリーカーでルッテンを担ぎ上げる。アルゼンチンバックブリーカーは、背負い式背骨折りだ。だから今回のように横に担ぎ上げてしまっては、なかなか背骨を折るのは難しい。ルッテンは担ぎ挙げられたまま首をスリーパーホールドで締め付ける。この首締めがすごかった。力に任せて中西がバックドロップをしても離さない。首を決めるところの腕と体の流れがすごく上手かった。中西の動きに合わせて、首を決める動作も変化して、最後はヘッドロックのような形にまで変化していた。首決めを外された後はだんだんルッテンのスタミナが目に見えてなくなってくる。もう少しじっくり戦えば中西は勝てたはずだ。でも、そこまで見極める余裕がないようだった。常にルッテンのハイキックが届く範囲で試合していたのも余裕のない現れだった。ルッテンが飛びついて、中西の腕を取り、十字固めの体勢になるが、中西は力任せにたたきつける。ルッテンはたたきつけられたまま三角締めへ以降。上半身を包み込むように決められて、持ち上げられなくなった中西、たまらずギブアップ。勝負タイム6分は、素晴らしく見ごたえあった。今回のルッテン対中西学は、私がこの5年で見た中で一番面白い試合だった。ルッテンの体重は92キロ。ジュニアヘビー級である。ライガーと抗争していてもおかしくない体重だ。中西120キロ。ちょっとラッシュかけた後客にアピールしたり、バックドロップしたら関節技が解けたりするような、「お約束プロレスラー」の限界を見た試合だった。ただ、巡業していくのに多少のお約束は必要だし、私の中で歴代「一番観ていて笑いの取れるレスラー」は中西だと思うので、それはそれでいいとも思う。中西がロープの反動で帰ってくるところにルッテンがハイキックを出した。危うくロープをつかんで当たらなかったが、あの技はあぶない。相手をロープに振ってラリアットの変わりにハイキックをあてれば、ルッテンはIWGPチャンピオンにもなれるはずだ。死人が出そうだけど。

 永田対高山の試合は、完全に高山の方が強く見えた。永田がダウンしたら、高山を引き離してダウンカウント(休憩時間)取るなんて、少しひいきしすぎだと思った。ルールがあいまいなプロレスで総合格闘技系の試合をしている所に無理がありすぎる。途中、顔面をパンチで殴り合っているし、観ていて納得できない。ハイキックした後に3カウントを取る終わり方が、どっちつかずの気持ち悪さを象徴していた。なんで永田を引き離してダウンカウントを取らなかったのか?ナガタロックは、見た目ジミだなあ。高山もジャーマンが二発とも中途半端だったのが痛かった。腹が出すぎてヘソで投げるべき所のヘソが見えない感じだった。試合に勝った永田や挑戦者として名乗り出た佐々木がウダウダやってる時、響いてきた三沢コール。それがこの日の全てだった。三沢の卍固め。感動的である。三沢は、フェイスロックで鶴田からギブアップを取った頃がピークだったんじゃないか。蝶野も首がダメだし。もう二人とも現役ではないと思うが、イベントとしては面白すぎる。今後プロレスがどうなろうとあまり興味ないのだが、タイガーマスク時代の三沢のファンだった私にとっては、時の流れを堪能できるいい大会だった。  △