小市民ダークロのありがちで気の抜けた感じのやつ

瞑想2008

2008.04(1)
春風は私を加速させる。

昨日は熱っぽくて風邪をひいたのではないかと心配だったけど、今日は調子いい。今朝は天気がよく、とても暖かい。動く。全てはうつろいいく。春風は私を加速させる。

急いで帰ろうと駅まで走ったら、お尻の筋肉がつってしまい、あと階段一つ降りればよかったのに、残念ながら乗りすごしてしまった。両足がつったので立っていられなくなり、駅の冷たい通路で仰向けにダウン。たくさんの人が通りすぎていく、駅の通路の片隅で、しばらく、身動きせずに横になっていた。地獄の苦しみだったが、十分くらいマッサージしたら回復。


プロレスの話でもしようか。「レストホールド」と呼ばれるプロレスの技の種類がある。グラウンドでのヘッドロックや、脇固めで、何分かじっくりとした膠着状態が続く時に使われるようだ。もちろんプロレスでは完全に技を決めることはないので、激しい動きの直後に、しばらく息を整えるのに役立つ。観客としては、動きがないので退屈に感じることもあり、あまりに長いレストホールドはブーイングの対象になることもある。プロレスは秒殺の快感も時にはあるが、通常は総合格闘技と比べれば試合時間が長い。実際に試合を見に行くと気づくのだが、試合展開を把握するのがすごく難しい。めまぐるしい攻防だけになると、試合がすっとんでいって、記憶になにも残らなくなる。どちらの選手が相手のどの部分を攻めていたのかとか、どちらが優位に試合を進めていたのか、認識が追いつかなくなっていくのだ。そういう、記憶にひっかかるための行為として、レストホールドは重要ではないだろうか。文章における句読点のようなものだ。あえて動きを止める。スピーチや演説、役者の演技と同じことが言える。レストホールドだけではなく、手四つでの力比べや、ロックアップからの関節の取りあいでも、同じことがいえる。表現活動として重要な部分だ。強さの表現。試合の勝敗以上にプロレスでは重要な評価基準だ。


快晴。暖かい。「ゴルフ場殺人事件」を昨日深夜に読み終わる。この小説は高校時代に何回も読んだのだが、18年くら い過ぎたため、話を覚えていなかった。さすがに面白い。また18年たったら読もうかな。人物の立場、時間、場所を練り に練っての力作。作者の力量は、どれだけ登場人物の立場に立って考えられるか、という部分で評価基準になる。よく 考えると、実際にはありえないような非現実的な事件。でも、心理描写がリアルだから、説得力がある。枷があるのでド ラマ性も十分。勧善懲悪やロマンスなど、娯楽性も十分。合理主義精神と同情心。さらには「人間なんてこんなものだ」と いう、さりげないペシミズム。ミスマープルなどは、途中でトリックや犯人の見当がついたが、この小説は最後まで犯人がわからなかった。

07年、仕事が一段落ついたので、11年ぶりに歯医者に行った。半年かけて、虫歯や歯槽膿漏などを処置した。心臓にまで衝撃が伝わる痛みを感じたり、かなり高い治療費を払ったりしたが、先生や歯科衛生士さんは親切だし、仕事を抜け出せるのでいい気分転換になった。歯ブラシを立てて磨く方法、歯茎を磨く方法を教わった。歯茎だけを磨くなんて、それまで思いつきもしなかった。今までの人生は、そこまで余裕がなかったのかもしれない。歯医者という存在は、私にとっては平和の象徴となった。

朝起きると、暖かいので窓を開けて、昨日干した洗濯物を眺めながらひなたぼっこ。金曜日にしては疲れもない。閏年と金曜日。私が進む沈黙の世界。電車に乗って出発を待っていたら、眠くなってきた。そしてお腹が鳴る。おなかすいた。水深深く、ストレスの深海。視界が悪く、餌もない。酸素求めてパクパクする。大崎駅では深海魚がたくさん泳いでいる。今日で三週続いた歯科検診も終了。今日は、バイオフィルムを取って歯槽膿漏を防ぐ治療。さらに、ちょっと欠けた上の前歯の刺し歯に樹脂を詰めた。次回の検診は、六月の終わりくらい。毎日歯を三回は磨きたいが、昼休みは時間がない。でも歯槽膿漏は怖い。年を取ったので歯も少し弱くなった気がする。仕事が終わらず23時30分に会社を出る。埼京線に繋がらないので山手線へ。目黒で座れてよかった。渋谷で大混雑。もう、すごいよ。まるで悪夢のような。ハイパー資本主義。楽しさ満点のジェットコースター。宙返り宙返り。電車の中で、多少、遭難気味。自分行方不明。自衛隊も助けに来ないし救急車も通れない。文明から果てしなく遠い。ようやく高田馬場で降りて西武新宿線へ。一番後ろの車両だったので、車掌室の窓から外を眺める。どんどん遠くなる駅のホームの明かり。カーブするレール、揺れる感覚。レールの上をどこまでも進んでいく感覚。過ぎ去っていく感覚。移動する感覚。ちょっと新鮮。

寒くて起きた。毛布をちゃんとかけてなかったらしい。頭も痛い。なんとか起きて、窓を開けると、暖かい。洗濯物を取りこんでお茶を飲んでから出勤。夜はマクドナルド。コーヒーが無料だった。100円のコーヒーが同じ値段でリニューアルしたのは知っていたが、はじめてのんだ。ローストされていてけっこうおいしい。22時35分に帰宅。喉がいたい。風邪だな。頭がぼやける。明日は細かい仕事が多そうなので、平静に仕事を進めたい。自分を見失うことで失敗することが多い。様々な外的要因で自分に対しての実像がぼやける。一番重要なのは冷静でいること。私自身が、周りの環境に対して私が冷静でいることができるようにプロデュースしていく必要がある。汗水たらしてギリギリで毎日を乗り切っている私は相当のバカだ。本来ならばどんどん楽な方向に進むべきなのに、一向に苦闘が続く。方法、もしくは方向を、はなはだしく、せわしなく、美しく間違えている。こんなに間違った方向でトンネルを掘っていたら、別の出口にたどり着いてしまいそうだ。

6時半に起きる。曇っているので敷布団だけ干す。7時45分までネットを見たり、自分のサイトをいじったり。気づくと雨がパラパラ降っている。あわてて布団を取りこんだが、湿ってしまった。みかんを食べようとしたら、1個が思いっきり腐ってカビが生えていた。あわてて他の3つを食べる。これでおなかいっぱい。掃除機をかける。ずっと掃除機だけだ。そろそろ雑巾で拭いた方がいいかもしれない。新宿に行く。15時に新宿御苑に。16時半の閉園直前までいる。まだ桜が咲いていた。芝生を歩くだけで気持ちいい。自然のグラデーションに眩惑。まさに白昼夢。起きながら夢を見ている。新宿御苑は、本当に新宿にあるのだろうか。信じられない。芝生に寝転ぶだけで、入場料200円の価値あり。


瞑想2008